2007年01月19日

ホスピタリティ

やっと旅館の女将らしいタイトルがつきましたでしょ。いやー、今日はねえ、飾り気のないって言ったらいいのななあ、とにかくホスピタリティの直球を目の当たりにして、何ともホコッとしたしあわせな気分になりました。

ここ数年来、毎朝お風呂に入る習慣があったのですが、病院の中ともなるとそうもいきません。ましてや体に差し込んであるドレーンがまだ抜けてないわけですからせいぜい半身浴、残った上半身は蒸しタオルで拭く毎日なのであります。今日も病室内で、リハビリのお陰で何とかここまで上がるようになった右腕をフルに動かして、ごしごし頑張っておりました。さて次は首周りを入念にいこかしらと鏡に向かったその時・・・・見えちゃったのであります。何がって、ガーゼの隙間から術後6日目の生々しい患部が・・・。全摘ですから胸部に関してはほぼ真一文字になっている、ということは理解しておりました。その一直線の終着点(脇の下)が見えちゃったからさあ大変。リンパ節も切除しているから、べっこりとえぐれちゃて、傷口にはまだ血が滲んでるし、さーっと血の気が引いちゃった。しばらくの間ベッドの上でボーっとしてしまいました。いや、いかんいかん、このままじゃいかんだろっ!と自分を奮い立たせ、リハビリの帰りに病院内の美容院に駆け込み、長い髪をバッサリ切ってみました。25年ぶりに前髪なんか垂らしちゃって、学生時代に戻ったような気分です。ヘアースタイルをガラッと変えて気分も一新!生まれ変わったような気分になりました。

そこの美容院は4年前に入院していた時もよくお世話になっておりましたが、こんな衝撃的なホスピタリティを感じたのは今回が初めてでした。私が案内された椅子の隣では、80過ぎの(90過ぎてるかも)おばあちゃんがパーマをかけておりました。程なくパーマもかかりシャンプーしてブローして、おばあちゃんはみるみるきれいになっていきます。すっかり完成して、バックスタイルを鏡で確認させてもらって、おばあちゃんは満面の笑み!介添えできていた娘さんらしき方(70くらい)が車椅子を押して近づいてきて「あら〜、おばあちゃんきれいになっちゃってー、これじゃデートに誘われちゃうんじゃない?」たまたま隣り合わせになった私まで「おばあちゃんきれい!」。店内は一瞬にしてお花畑にでもなったかのようなホンワカしたムードに。

ここは病院の中の美容院、いろんな事情を抱えた人達がやってきます。おばあちゃんは明日退院だから、私は今のこの思いを断ち切りたかったから。点滴ぶら下げていようがドレーンパックぶら下げていようが、スタッフは何の病気?なんて一切尋ねることもなく、体調を気遣い、体勢を気遣い、慎重にお客様に接する。かといって黙ってカットしているわけでもなく、実に邪魔にならない会話のやり取り。おしゃれを求めてやって来た患者さんが、きれいにしてもらって満足して、また、心機一転やる気にさせてくれたり、なんて素敵なお仕事なんだろうって思っちゃいました。いや〜、マジ癒されちゃったよ。患部をあったか〜い手で包み込んでもらった気分!

旅館もホスピタリティがテーマのお仕事。この「心」を見失うことがないようにしかと天に誓い、間もなく復帰いたします。
ニックネーム KOTO at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | チチの病
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