11月も終盤になって参りますと、あちこちのホテル・料亭さんから「ふぐ懐石のご案内」なるものが届きます。「ああ、もうそんな時季か」と、いつ・誰と・どこで食べようか(呑もうか)と頭の中にひれ酒がチャッポンチャッポンみなぎります。もちろん我が愛するつるやでもふぐは出せるんですけど、自分ん家でふぐ食べてしこたま呑んでって言うのはちょっとねえ。いえ、スタッフに女将の人格を疑われてはいけないなんていう理由ではございませんからご安心召され。
そうだ、何年前だったかなあ。子供の頃から家族ぐるみでとてもお世話になっていた方が亡くなっちゃって、そのお葬式に参列した時のことです。マイドーターがまだ小さかったものですから、ママは単身で出掛けられないし、一緒に連れて行ったんですよ。当時私が上京するなんていうことは、まあおよそないことでしたから「今度一緒に呑もうね」ってお約束していた人達のお誘いが多数ございました。でも、精神的にも馬鹿陽気に呑む気分じゃないでしょ。人選に悩む訳ですよ。できればご馳走してくれちゃったりする方のほうがいいしね(セコッ!)。
「どうしようかな」と考えているところに丁度良いスポンサー様がいらっしゃいました。虎ノ門某有名ホテルの料亭で、うちの姉と私とマイドーターの3人でご馳走になることになりました。席に着いてそのスポンサー様がマイドーターに向かって「何でも好きな物頼みなさい。」と一言。瞬間母は不吉な予感に襲われます。マイドータ品書きをつらつらと眺め「ふぐ!」母「あーー、言っちまったぁーーー」あたふたと慌てふためく母と伯母「ふぐじゃなくて何か他の物にしたら」マイドーター「やだ、ふぐがいい!なんでも好きな物頼んでいいって言ったじゃない!!」そこでスポンサー様「そうだよな、僕が何でも好きな物頼んでいいって言ったんだよな。ふぐが美味しいって知ってるんだよ。いいよいいよ、ふぐ食べなさい。」その太っ腹な一言にホッと胸を撫で下ろす母と伯母なのでありました。大好きな毛ガニもむしゃむしゃと平らげ、大満足のマイドーター。スポンサー様いくらお支払いになったのかしら・・・・。ふぐの季節になると未だにこの話題で笑えるんですよ。
山形県天童温泉 檜風呂の宿つるや
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